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村田喜代子『八つの小鍋』 [本]

なんと、実に3ヶ月ぶりの更新である。・・・・・

村田喜代子の短編集『八つの小鍋』を読む。
この方は芥川賞をはじめとして、さまざまな文学賞受賞している。
その、受賞作品を多く収録した短編集。

八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集 (文春文庫)

八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集 (文春文庫)



たとえば太宰治作品を読んでいると、語り手は一体誰に向かって何のために語っているのか、などと思ったりすることがあるのだが、この短編集所収の「鍋の中」も、私は、途中からおばあさんの語りについて、かなりの疑問がわいてしまった。
いわゆる「信用できない語り手」っぽい。
そして実際に、おばあさんの語りは信用できないものであった。

幻想的な描写もあるが、これについては中途半端な感じは否めず、皆川博子さんとか河野多恵子さんとかもっともっと幻想性の高い作家はいる。どちらかというと、村田さんの作品では、私は「白い山」の五番目の話に出てくる「谷のばあさん」のようなお話が好きだ。
深い深い谷の底にすんでいるおばあさんが、山の暮らしを淡々と生きて、山の食べ物を毎年きっちり加工して、お客が来ればさっとそれを料理して出す。老人だからあるとき転んで足の骨を折ってしまうのだけれど、そうして病院に長いこと入院するのだけれど、早く家に帰りたくて泣いて帰ってきてしまう。すると足の骨が変な形にくっついてしまい、もう普通に歩くことができない。それでも這って家の中を歩き回り、生活の用を足して、山の食べ物をちゃんと保存したりする。
そういう淡々とした日常を描くのがうまいなあ、いい話だなあと思って読んだ。

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