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川端康成と三島由紀夫 伝統へ、世界へ [本]

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去年、鎌倉文学館で開催していた展覧会の図録。
ミュージアムショップで購入できる。

川端は三島より26歳年上で、川端が三島を見出し、作家として導いたと言っても過言ではないのだろうが、三島も川端も、意識の上では師弟という思いはなかったようだ。
三島は死ぬまで川端を「川端さん」と呼び、また一方の川端も三島については「師友」と言っていたという。

二人の出会いから三島の死までを主軸とした展覧会であったのだろうが、図録を読んでいて興味深かったのは、川端が三島にノーベル文学賞の推薦文を依頼しているところ、だろうか。つねづねお手をわずらはせて恐縮ですが・・・というような書き起こしで「のおべる賞」の推薦文をひとつお願いします・・・という手紙が図録に掲載されている。
川端は三島の批評の力をつねづね高く評価していたらしい。
私は苦手意識が先に立ってしまって、三島の文章にはあまりなじみがないのだが、図録に収録されているこの推薦文をはじめとして、彼の批評の文章の絢爛さには、圧倒されてしまいました。たしかに人をうっとりさせる、ことばの巧みさが三島には、ある。
その批評力の確かさを、絢爛な文章を、たのむところが川端にはあったのだろう。

一方の三島は同じ頃、自分もまたノーベル文学賞の候補者になっていると言う自覚があった。
で、川端の受賞の知らせを聞いて大変に喜び、すぐさまお祝いの文章を書いて、川端邸に向かうそのタクシーの中で、日本にノーベル賞が来るのは少なくとも10年は先だろうとつぶやいたらしい。
この国際的な賞を、二人は競っていたのだった・・・。

川端の国際ペンクラプ副会長就任とか、三島の「宴のあと」事件とか、ふたりがそのときそのときをどんな風に過ごしてきたか、それが彼らの後の人生をどんな風に決定していったのか。
丁寧に二人の奇跡を追った図録です。
展覧会も見たかったなあ。
後の祭りだけれど。
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