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「南桂子展 生誕100年」群馬県立館林美術館 [散 歩]

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館林は少し遠いなあと思ったのだけれど、美術商のカタログをぺらぺら眺めていたら南さんの版画が出ていて、どうしても行きたくなってしまった。
で、展覧会の最終日に休みの日がなんとか間に合ったので、電車に揺られ、てくてく歩いて行ってみた。
東武伊勢崎線の館林駅からだとバスで30分ほどかかるようだったし、バスの時間もよくわからなかったので多々良駅から徒歩で美術館を目指す。
多々良駅の駅員さんがとても親切に、帰りの交通のことやら美術館までの道すじのことやらを教えてくれて、迷うことなく15分ほどで美術館到着。
お天気もよかったが、美術館の建物がのびやかにすっきりと建っていてあんまりきれいなのでしばし見とれてしまった。周囲に広がる芝生を前景に、ゆるやかなカーブを描いて建物が長く伸びている。ガラス張りの回廊(回、ではないけれど長い長い廊下である)が明るい。
アプローチに施された水面がたっぷりと水をたゆたわせて陽光を反射している。
いい美術館だなあと思う。

しかもすっかり忘れていたが、私設の美術館の企画展はたいてい1000円以上の入館料を取るのに対して、今回はなんと500円で企画展が見られた!!
公立の館はありがたいなあ!!

南桂子の出発点は童話だったらしい。
展示室でも2~3の童話を読むことが出来る。
絵の最初は油彩。
ほんの数点だけ展示されている油彩は、どれもやわらかくやさしい色あいで、どことなく現実から遊離している雰囲気。南が実際に目にしていた事物・風景であっても、彼女というフィルターを通してこんな風に見せてもらえる絵画体験と言うのは、なんともいえない不思議な感覚である。

版画も、やっぱりすてきだった。
見にきてよかったなあと心から思った。
彼女が描いたモチーフが小動物(鳥、羊、魚)や少女、樹木、そして象徴的なもの(お城や湖、海)であったことから、よく南の版画は童話的と評されるらしい。
言われてみると確かにそのとおりで、愛らしく、かわいらしくて、でもなんとなく寂しくて、現実にはないどこか遠くのおとぎの国の世界を描いたようだ。

それにしてもその童話的世界を支えているデザイン性の、なんと高いことか。
木の表現一つとっても、さまざまな省略の方法を見せている。
また、形態上の特徴を残しつつ、極力簡素化させて木や鳥や水を描いている一方で、樹木の表皮や葉、鳥の羽といった細部への緻密な描き込みにはのけぞってしまうほど。
気の長い、気の遠くなるような仕事だなあと感嘆する。

表現の模索だけではなく、技術面でも南はいろいろと試していたようである。
特に今回行われた調査では、彼女が微妙な陰影を出すためにサンドペーパーを使っていたのではないか、ということも分かったそうな。

静かな展示室で、いつまでも見ていたい展覧会であった。
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