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現代の日本画 小野竹喬 [本-美術]


現代の日本画 (1)

現代の日本画 (1)

  • 作者: 小野 竹喬
  • 出版社/メーカー: 学研
  • 発売日: 1991/09
  • メディア: 大型本


小野竹喬の展覧会に行きたかったのに行けず終いだったので作品集を図書館から借りてきた。
展覧会は3月から4月にかけて東京国立近代美術館で開催されていたのだが、そのポスターがあんまりかわいらしく、チラシを部屋の机の周りに置いておいては眺めつつ、どうしても行きたい、と思っていた。そのうち朝日新聞なんかで大きく展覧会のことも竹喬さんのことも紹介されてしまったので「あああ…」と悲しみの声を上げ、こうなると会場はますます混むに違いない、一体いつ行けばいいのか、歌舞伎と抱き合わせにするか、しかし別の展覧会にも行きたいし…などと逡巡している間に機会を逸した。無念。

借りてきたのは『現代の日本画』シリーズの一冊。
11.jpg
装丁でカバーになっているのが「京の灯」という画であるが、これが「えっ!」とちょっと驚いてしまうくらい(ダジャレではないです)シンプルでメルヘンな雰囲気なのである。
童話の絵本のよう。
山のむこうに京の街が夕闇に沈んでいて、その盆地の底に星のごとくきらきらと輝く家々の灯が点っている。それがまるで暮色の中にぱっと散らされた、色とりどりの金平糖のようで、どこか郷愁を誘う。
私は盆地に生まれ、そしていつも盆地の底を眺めながら暮らしてきたので、こういう景色は、実に身にしみる。この幾多の灯のうちのひとつが自分だ、と、それらの灯から少し遠いところにいて思う、その不思議な浮遊感。
盆地って、ちょっと特殊な地形だと思うのですね。
なんというか、小さくて狭い土地が山々に囲まれていて、その山の先は、空。だから空は天蓋のように感じられるし、空にまるく蓋をされた閉じた空間に、わたしたちはすっぽりとおさまっている、というような気がしてくる。
京都は同じ盆地でも山の高さが違うので、ここまでの小宇宙的な感覚というのはないかもしれないが、この、「底に沈む夜景」というのは本当にうつくしいのです。

閑話休題。
作品集の話である。
竹喬の初期の作品から晩年の作品まで順を追って並べられており、そのどれもが実にポップで色彩豊か、鮮やかな印象をもたらすものばかり。
特に初期作品には、まるでゴーギャンのタヒチの絵じゃん!と驚愕するほどに、配色の仕方、人物の素朴さと圧倒的な存在感、力強さ、という点で共通するものを感じ、ある種の感動を覚えるものも。
解説を読むと影響を受けた画家としてゴーギャンの名前が挙げられていたので、意図的に描いていたのなら、似るよなあ・・・と納得する。
おそらく多くの絵に学んで、多くの絵から受け取ったものを、じょじょに自分のスタイルへと還元して行ったのだろう。
画集のページをめくればめくるほど、やわらかく、やさしく、鮮やかで、しかし静謐な趣の作品が多くなってゆくのであった。

西洋画から受けた衝撃が大きかった、とか西洋へ行って大きな敗北感を感じた、というようなことが解説に描いてあったけれど、日本画のデザイン性の高さとか、配色の妙なんかは、なかなか真似のできないものだろうと私は思っているのだけどなあ。
かつてゴッホとかセザンヌ、ロートレックに代表される後期印象派が好きで、それをきっかけに少しずつ西洋画の歴史を遡って行ってみたり、現代アートの世界にも触れたこともあったけれど、日本画は日本画で、今の時点では一番好きかもしれない。
絢爛豪華な様式美がある一方で、空間の使い方をぎりぎりまで試行し、溢れ出るほどの饒舌さではなく、静けさの中にある緊張を読ませるところとか。
日本人的な侘び寂び、とか花鳥風月の雅、などと言ってしまえばそれまでだけれど。
ただ、ゴッホは今でも好きだし、ロートレックの寂しさというか哀切も、「もうお腹いっぱい」には到底ならないだろうから、何がいい、とか何が好き、なんて結局一概には言えなのか。

ええと、そんなわけで竹喬の画集をしばらくは楽しみたいと思います。

鳥山石燕『画図百鬼夜行全画集』 [本-美術]

妖怪色が濃くなってきました・・・
これは前から欲しかった本なのですが
このたびめでたく文庫版が出たので買ったのでした。
のめりこむとおそらく大きな版の方が欲しくなるのでしょうが。
ま~でも、そこまでのめり込むこともないかな~。
私はプロではないので・・・

Henri Cartier-Bresson『Henri Cartier-Bresson』 [本-美術]

アンリ・カルティエ・ブレッソン写真集。コンパクト版
写真の向こうに見える物語がある。
白黒で切り取られる一瞬のなかに、現実を越えたものがあるようだ。
水かと思えば、光り輝く大地。

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